親知らずの悲劇 語り部@片岡
片岡です^^
今日は、あるスタッフを襲った悲劇について…
あれは、診療後にみんなで院長に虫歯チェックをしてもらっていたときのことでした。
女性スタッフTが、突然悲鳴をあげました。
なんだなんだと集まるみんなの視線の先には、1枚のレントゲン写真。
なんと、当院でも1、2を争うほど美しい歯を持つ女性スタッフTの奥歯に、虫歯が見つかってしまったのです。
赤で囲んであるところの、黒くなってる部分が虫歯です。
この歯は一番奥の歯なのですが、実は虫歯になっている部分は歯ぐきの下に隠れている部分なのです。
歯ぐきに隠れてしまっているのに、虫歯を削ることはできるのでしょうか。
私たちは女性スタッフTのために一生懸命話し合いました。
女性スタッフY「やっぱり歯ぐきをメスで開いてから、すごく頑張って削るしかないのでは?」
女性スタッフK「1回抜いて、削って、また埋めなおすというのはどうだろうか。」
女性スタッフT「いやそれはダメだろK。ちゃんと考えろ。」
院長「普通ならこれは抜歯だね。」
T「いやぁぁぁぁ」
院長「そうだ!この歯は抜いて、女性スタッフYの親知らずを代わりに移植しよう!」
K「わぁ、それは楽しそう!」
Y「お願いします先生!」
T「他人事だと思ってぇぇぇ」
白熱した議論は続きます。
結論は「定期的にレントゲン写真を撮って虫歯の状態を確認しながら、経過観察を続ける。」ということで落ち着きました。
大切な歯は、残せるならばなんとか残したいというのが当院のモットーです。
まだ痛みはなく、歯ぐきの中の虫歯なので、汚れが付着する恐れがないため、これ以上虫歯は広がらないだろうということから、抜かずに経過観察ということになりました。
私はそっと、定期健診リストにTさんの名前を書き加えました…。
さてさて、ここで疑問がひとつ残ります。
そもそも虫歯は、虫歯菌の潜むプラークという汚れが付着するところから始まります。
Tさんの虫歯は歯ぐきの中にあるのに、いったいその歯はいつ虫歯になったのでしょう?
その真相は、実は親知らずに隠されています。
親知らず…正式名称は第三大臼歯(智歯)といいます。個人差はありますが、18~20歳前後から一番奥に生えてくる歯です。親の知らない間に生えてくる歯、という意味で「親知らず」の通称がつけられたようです。
親知らずは、↑のように、斜めや横向きに生えてくることが多いです。
そのため親知らずをしっかり磨くことは難しく、隣の歯との間に汚れが溜まりやすくなってしまい、そこから虫歯が広がっていきます。
Tさんは昔、親知らずを抜歯しました。そして今回虫歯になっている歯は、親知らずの生えていた歯の隣の歯です。
ななめに生えていた親知らずが、↑の赤い部分に重なって生えていたのではないかと推測できます。
つまり、かつて親知らずが生えていたとき、この虫歯の部分は歯ぐきより上に露出しており、すでに親知らずのせいで虫歯になっていたのです。
親知らずを抜いたあと、そのままどんどん歯ぐきが上に被さってきて、隠れてしまい、今に至る。
そして事件は迷宮入りしていた…。
ということです!(*’▽’)ドヤァ
まあ分からんかったから全部名探偵ウシロダ院長に教えてもらったことなんですけど!(*’▽’)ドヤサァ
※これはあくまで推理であり、可能性が高いというお話です。親知らずを抜いたときの状況が分からないため、いくら天才的な頭脳を持った体も中身も大人の名探偵とはいえ、真実はひとつではありません!
いかがでしたでしょうか。
もしかしたら知らない間にあなたの奥歯も…?
検査すること、知っておくこと、そしてその後は定期的なケアが大切ですよということを、Tさんは身体をはって私たちに教えてくれたのでした(*´▽`*)ありがとうTさん!ありがとう名探偵!